【授業の到達目標およびテーマ】
本演習では、世界の経済に最も大きな影響を与えてきたアメリカ経済の特徴と動向について、その歴史的な背景とともに学び、アメリカ経済の現状とグローバル
化する現代経済に対する影響を的確に捉え、将来を自らとらえうる力を養うことを目標とする。とくに、この間最大の問題となっているアメリカ発のグローバル
金融危機・経済危機の問題の原因とプロセス、およびその影響と対策を焦点として議論し,グローバル経済の転換の展望を得ることを重点とする。
【授業の概要と方法】
近年、企業・金融・情報のグローバル化と政府機能の新自由主義的転換を通じて、世界の経済は、大きな転換と変貌の時代に入っている。企業活動や金融が国境
を超えてグローバルに拡大し、世界的な大企業が激しく競争し合う「大競争」が、世界各国、各地域の社会経済に大きな影響を与えている。IT(情報技術)や
バイオテクノロジーなどの技術革新も加速されるとともに、中国やインドなどアジア経済やその他新興経済の工業・経済発展も顕著に進んできた。しかし、現
在、アメリカ発のグローバルな金融危機・経済危機が発生し、世界的に深刻な影響を与えている。本演習では、アメリカ経済の特質と歴史的発展の特徴を学びな
がら、こうした世界経済の動向に対するアメリカの影響とグローバル経済の行方について、日本や中国・アジア、その他の新興敬愛諸国や開発途上国などとの関
係も含めて、企業、労働、政策、貿易・投資、国際通貨ドル,金融動向など,さまざまな角度から、テキスト、各種文献・資料を用いたレクチャーとゼミ生の各
種分担報告を通じて議論を進める。とくに今年度は、昨年度に引き続き、アメリカ発のグローバル金融危機・経済危機の問題を焦点として学ぶ。あわせて、グ
ループ研究、個人別研究テーマによる進級論文・卒業論文作成、ディベートなども組み合わせてゼミ活動を進める。
【授業計画】
前期
回 | テーマ | 内容 |
---|---|---|
第1回 | ゼミの内容と活動の概要の確認と年間スケジュールの決定 | 年間のゼミ活動の概要の確認、各種行事など、年間スケジュールの決定を行う。 |
前期(共通) | 1.指定テキストと、各種文献・資料を用いたレクチャーとゼミ生の分担報告による議論 2.毎回時事問題についての分担新聞報告と議論(20分程度) 3.個別テーマ別の議論(可能な範囲) |
1.河村哲二著『現代アメリカ経済』(有斐閣、2003年)を中心とし、同共著『アメリカ経済入門』(幻冬舎、2009年)や同『パックス・アメ リカーナの形成』(東洋経済新報社、1995年)、同編『グローバル経済下のアメリカ日系工場』(東洋経済新報社、2005年)や、『米国経済白書』(各 年版)なども取り上げる。 |
5月後半−6月初め | 個人研究テーマの決定 | 年度末に提出する進級論文のための、個人別研究テーマを提出する。 |
7月前半 | 1.個人研究の概要のまとめと提出 2.夏合宿のグループ研究、ディベート等の課題の決定と準備 |
1.個人研究論文について夏合宿での発表の概要を決め、準備を進める。 2.ループ別研究およびディベートのテーマと分担を決め、夏季合宿における発表の準備を行う。 3.夏休みや後期に行う各種行事の予定を立てる。 |
夏休み | 1.夏合宿の実施 2.個人研究論文の執筆 3.工場見学・実地調査などの企画の実施 |
1.夏季合宿の実施(8月前半を予定):グループ発表、ディベート、個人研究発表等の実施。 2.夏休み中に実施可能な各種行事企画の実行。 |
後期
回 | テーマ | 内容 |
---|---|---|
後期(共通) | 1.アメリカ経済・グローバル経済に関し、テーマ別の文献・資料を用いた分担報告と議論 2.時事問題について毎回分担報告と議論を行う(20分程度) 3.個人研究論文の中間発表・年度末提出 |
アメリカ経済およびグローバル経済についての各種文献・資料を用いたゼミ生の分担報告を通じて議論を進める。前期同様、時事問題についての新聞報告と議論を行う。個人研究による論文執筆を進める。 |
10月〜12月 | 1.個人研究論文の最終発表 2.工場調査・実地調査など各種企画の実行 |
1.個人研究の最終発表による議論と進級論文へのフィードバックの作業を含め、個人研究と論文執筆を進める。 2.実施可能な各種行事企画の実行。 |
1月 | 1.年間ゼミ活動の総括 2.進級論文の提出 |
年間のゼミ活動全体を整理し、総括する。進級論文を仕上げ、提出する(1月末を予定)。冬合宿の実施(2月半ばを予定) |
【授業外に行うべき学習活動(準備学習等)】
前期には、毎回のレクチャーについて、講義スライド、テキスト,参考資料を用いて予習をする。各部分の担当者は、論点の整理と質問事項を毎回準備し、レ
ジュメやスライド等にまとめ、発表と議論のリードに役立てる。終了後は、各ゼミ生は、各自ゼミ内容を整理し,予習と結びつけて次回に備える。後期には、分
担報告者は、指定文献を中心に報告を準備する。その他のゼミ生は、当該文献・資料、テキスト等を用いて予習する。年間を通じて、個人研究テーマに従った研究と論文執筆を進める。グループ研究、各手企画を分担して担当し、準備と総括を行う。
【テキスト】
河村哲二著『現代アメリカ経済』(有斐閣、2003年)
河村哲二・弘兼憲史著『知識ゼロからのアメリカ経済入門』(幻冬舎、2009年)
その他,テーマ別に選定して指定する。
【参考書】
河村哲二著『パックス・アメリカーナの形成』(東洋経済新報社、1995年)、河村哲二編『グローバル経済下のアメリカ日系工場』(東洋経済新報社、2005年)、『米国経済白書』(各年版)など。その他、グループ研究、個人論文テーマに応じ、文献を選び適宜指示する
【成績評価基準】
毎回の分担報告とグループ研究・議論への参加度合いによる評価(5割)と学年末に提出論文(5割)によって評価する。
【情報機器使用】
レクチャー部分や、個人研究発表、グループ発表等に,液晶プロジェクターを使用する。
授業コード | K7011 |
開講時期 | 年間授業 |
単位数 | 8 |
曜日・時限 | 水曜4・5時限 |
キャンパス | 多摩 |